— times

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machidatetsuya

かつて、わたしは、ポツダムでリスボンを思い出していた・・・・・
・・・そしてリスボンで、わたしが子供だった頃のドイツを思い出していた。

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ぼくの見る悪夢は厳密で、幾何学的だ。簡略にして、恐ろしくしつこい内容と決まっている。例えば、渦巻きに巻き込まれて、その中心まで運び去られる夢とか、目の前に何本か直線があって、一つの線分を他の線分と置き換えたり、絶え間なく修正を加えて悪い部分を消したりしながら、全体の構造を変える為ために際限なく努力を重ねる夢とかだ。ここ数日、ダーツばかりやっているせいで、夜のあいだも、眠りに表面に、的のイメージが執拗に浮かんでくるのである。

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私にとっては人生で初めてのいいキスだった。彼女の唇はチョコレートの味がし、キスしおえると、彼女はショートパンツの尻のポケットからたたんだキャンディ・バーの包み紙を取り出して、私に手渡した。開くと中に彼女の名前と電話番号が書いてあった。その横に豚の顔が描かれていて、漫画のように口から吹き出しが出て、”わたしのことを忘れないで!”と書かれていた。

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市街電車の音や絨毯を叩く音の拍子が、私を揺すり、眠りを誘った。その拍子に包まれて、私の夢は結ばれたのだった。初めのうちは、まだかたちをなしていない夢、おそらくは、産湯の波のような感じやミルクの匂いが浸透していた夢。それから長く紡ぎ出されていった夢、旅や雨の夢。

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出発点はここだ。なぜ時間を切り、思い出を繋ぎあわせるのか。彼は、別の惑星から来たのではない。未来からやってきたのだ。4001年、人間の脳が完璧に使用される時代から来たのだ。その時代には記憶も含めたわれわれが眠らされているすべての能力が、完全に機能している。その時、完全な記憶とは、麻酔をかけられた記憶のことだろう。記憶を失った人間の数々の物語のあとに、忘却を失った人間の物語が始まるのだ。

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「僕は、思い出の働きについて考えることに、一生を費やしてしまうだろう」

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写真はコードのないメッセージという位置である。この命題からすぐに重要な糸が引き出されるはずである。すなわち写真のメッセージは連続したメッセージである、という糸。

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