一階へ下り着く前に階段がまるごと陥落してしまう気がした。そして、百段近い階段を十段くらいしか踏まなかったような錯覚を覚え、一階のテラスへ下りてからも、踏み残された階段が気になった。 流れない川 / 石原悟