— times

ぼくの見る悪夢は

ぼくの見る悪夢は厳密で、幾何学的だ。簡略にして、恐ろしくしつこい内容と決まっている。例えば、渦巻きに巻き込まれて、その中心まで運び去られる夢とか、目の前に何本か直線があって、一つの線分を他の線分と置き換えたり、絶え間なく修正を加えて悪い部分を消したりしながら、全体の構造を変える為ために際限なく努力を重ねる夢とかだ。ここ数日、ダーツばかりやっているせいで、夜のあいだも、眠りに表面に、的のイメージが執拗に浮かんでくるのである。


直角三角形の斜辺(65)/浴室/ジャン=フィリップ・トゥーサン