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machidatetsuya

真っ白な画面に指先は線を与え、知覚はその線を一瞬遅延認識して、目玉の動きと観念的な束縛を解かれた意識がひたすらな時間を楽しむ。だから他の素描作品を眺める時、何がどのように描かれているかといったことよりも、私は、その素描と共にあったはずの人間の、大らかな海のような運動、精神の自由に溜め息をつく。

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ささやかな旅で、見慣れぬ街にいて、カメラを持つ特別の意味合いが失せているのに気付き、言い様のない切り取り方で、嚔をするようにシャターを押す自身に、淡い呪縛感を抱くこともあった。

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静止状態を凍結させ現象化させた二次元のイリュージョン(幻影)は、それまでの限りなく現実を真似る偽物という暗黙の了解自体が成熟した絵画とは全く異なった「今ここ」という現実性を帯びた一枚の平面に定着したことで、ダゲレオタイプ当初は妖術や悪夢に喩えられた。写真は、人間の網膜で捉え刻一刻と消滅していく不完全な認知対象世界に対して、徹底した完全さで一瞬を切断し、ぶっきらぼうなありのままの記録という時間的、即物的な意味で、都度新しい顕われのひとつとして多用されている。

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カメラが、社会的な道具として成熟期にあるのかどうかわからない。同じように、日常、写真や映像の力を、我々が十全に理解し享受しているとも言いがたい。確かな事は、レンズが残す画像と、人間の眺めは本来的には無関係であるということだ。

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1826/ニエプス(Joseph Nicephore Niepce 仏)がヘリオグラフ(Heliograph, アスファルト写真)を発表。 現存する最古の写真はニエプス(Niepce)のアスファルト写真。1枚の撮影に6−8時間の露光が必要だった。ヘリオグラフ(太陽の描く絵)と命名。

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シュルツ(独)(1677年-1744年)Johann Heinrich Schulze
硝酸銀の感光性を発見 物質によって光線が当たると色が変わることは知られていた。シュルツは硝酸銀の感光性を発見した。 (ヨハン・ハインリッヒ・シュルツェ)

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仮の土台がバーチュアルであっても、ある種の具体性を引きずった(微細な、どうでもいいような状態)目の前の光景のヨウナ状態へ手がかりを探したのは、つまりそうした探索の、コンセプチュアルな正当性(情動も抑制も含まれた)の王道を学習する為であったと、今になっては思われる。そして、その成果は、撮影のアプリオリな構築手法である態度の切断に近い抑制の仕方の確認と言っていい。

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