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machidatetsuya

フロイトは非常に面白い考え方をした人で、女というものは存在しない、誰でもはじめは、男の子として生まれてくる、ただ父親と母親との関係のとりかた次第で「男になったり「女」になったりするだけだ、という。フロイトの考え方では女はいなくても母親母親がいるわけだ。しかし、マーガレット・ミードの報告によると、ある未開社会では、男と女の役割がそっくりいれかわっているのがあるらしい。すると、「母」というものも」意味だということになる。
ー女について/反文学論/柄谷行人

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An artistic image
is once that ensures its own development,
its historical viability.
An image is a grain,
a self-evolving retroactive organism.
It is a symbol of actual life,
as opposed to life itself.
Life contains death.
An image of life,by contrast,
excludes it, or else sees in it a unique potential
for the affirmation of life.
Instant Light – Tarkovsky Polaroids / Andrey Tarkovsky

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I want to talk with Lara about many thngs,
about our future life,in short,everythings.
I miss her enormously,and I love her very much.
She is the only woman I really love;
I could never love another.
She means too much to me.
Instant Light – Tarkovsky Polaroids / Andrey Tarkovsky

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「あなたは、伝えたい事があるようだけど、ワタシにはさっぱりわかんない」
瑞々しい肌を輝かせるように突き出した彼女の唇を、別の生き物のように眺めて、
伝えたい事など何もないんだよと言葉にすることができなかった。
分かるというのは、つまりキミの中に入って、キミになることでしかないから、
それはできないんだよ。
絶望的な諦めに落ちてから、盛りのついた獣になることが唯一残されていると気づいた。

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トイレの窓の外の畑の、キュウリだろうか、色があまりに鮮明だったので、腰を抱き窓から外が見える高さまで持ち上げた。

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それまで長い間、樹々の中をくぐり抜けるような木漏れ日の地面を見て歩いていたので、足下に差し込む陽射しの形が徐々に割れるように広がり、胸元から足の間をすり抜けるような風塊を受けて、顎を上げると、まだ登り始めていない坂道の手前であったのに、辿り着いた安堵がまず先に湧いた。
振り返ると、枝の隙間より、青く霞んだ平野が、海原のようにゆっくりとうねっているのが臨めた。シャツは肩口から脇にかけて濡れていたが、途中から様子の変わった大気に、汗はとうに引いていた。たかが歩く事が、人生に響くような年齢になってしまったと、侘しいような笑いが口元に現れたが、坂の上には待ち人がまだ居るような青い動悸を隠せずに、慌てたような足取りで坂を駆け上がった。

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樹木の濃密な香りを吸い、輪郭が膨張する瑞々しい季節の色に瞼を薄くさせながら、腰迄の笹を掻き分けるように歩んでいった。笹の葉で腕を幾筋か切り裂き、薄い血を意識の外で舐めて進んでいた。
胸の上下も汗の滴も自らの呼吸も、別物の動きと喘ぎに聴こえ、獰猛で闇雲な欲情が骨の芯辺りから垂直に流れ、このモノに宿るような気分となった。

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