— times

彼女は

彼女は、学者でなかったとすれば、また哲学者でもなかった。抽象化する力に欠けていたからである。知識への渇望が彼女の皮肉や多彩とは争いもせず、もし別の時代であれば随筆や批評を書いていたであろう。こうして彼女は一つの思想に生きるのでもなけく、また新しい思想を作り出すのでもなかった。


征服と植民地/孤独の迷宮/オクタビオ・パス