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手の技能は学習によって獲得される

手習いという言葉の意味は、もともと字を習う、すなわち、習字のことであるが、拡張して、学問・修業・稽古などという意味も持っている。手習いという言葉は「源氏物語」や「かげろう日記」にすでに使われているが、文字を習うことが筆を手にとって書くことであり、文字を覚えることが学問の出発点であった時代を反映している。


鈴木良治/手の中の脳/東京大学出版会