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脂肪の塊

「脂肪の塊」というモーパッサンの作品は、1870年から71年にかけてフランスを舞台として起こった普仏戦争の時代の話です。プロシャ軍がフランスを占領しているという状況を、溝口健二の「マリヤのお雪」では、西南戦役の政府軍(官軍)と薩摩軍の話に置き換えております。すると、オリジナルとそのコピーという関係にありながら、まるで西南戦役にぴったりの題材だと思えてしまいます。


映画における国籍/映画への不実なる誘い/蓮實重彦