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家族が朝の身支度を

家族が朝の身支度を済ませ、自宅を出払った後の食卓の片付けが、こちらに任されたまま放置され、夜通しの仕事の縁でそれを眺める時があって、食卓の、食べ残された朝食やミルクが残ったグラス、卓上にこぼれたパン屑、水滴などに、朝の家族夫々の慌てた仕草が残っていて、苦笑しながら片付けるのだが、では、こうした状態を仕組むとなると、家族ひとりひとりの目覚めから行動を追って、仕草に至った経緯を重ねないと、グラスにミルクは残らない。パン屑に、意識が乗り移り、心のトラウマを訴える暗号のような不要な意味を持つこともある。


text by tetsuy machida