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まだ十全に

まだ十全に身体の機能を果たしていない女性特有の身体とココロの矛盾する境界の時期を維持する健気さも、普遍のひとつとして加えるべきだったし、あるいは疲弊の果ての投げやりも在るべきだった。つまり、健全で前向きな新陳代謝の激しい人間の活動から、ある種の静止を導こうというわけだ。これが妊婦であると眼差しは対象へ届かないし、活発な活動の運動体であると、眼差しは内向する。外へただ無防備に開かれているような眼差しを前提とし、それがつまり「机」となった。


text by tetsuya machida